絶対受けなくていけないの?
現在はポリオの流行はなくなっているようなのですが、絶対受けなくてはならないものなのでしょうか?また、ポリオはなぜ注射ではなくて生ワクチンを飲むのでしょうか?
早速調べてみました。
ポリオの病原ウイルスは飛沫感染も経口感染もします。いずれにしても体に入ったウイルスは腸で増えた後に血液中に入って脊髄の神経を侵し、手足などの麻痺を起こすという順序で発病します。
あらかじめ血液中に免疫抗体があれば、ウイルスは血中に入った途端に殺されて(不活化されて)しまいますから発病をしないですむことになります。
ポリオの予防接種には生ワクチンとして飲む方法と不活化ワクチンとして注射する方法がありますが、流行を防ぐ力で効果がすぐれ、かつその効果が長続きするのは生ワクチンなので、日本を含めて世界の大部分で生ワクチンが使われています。生ワクチンの場合は毒力を弱めたウイルスを弱めて使いますから、自然の感染に近い経路で体に入るのが効果的かつ安全であり、この理由で経口接種(内服)をします。
生ワクチンのウイルスは腸で増え、以後腸内でポリオウイルスが増えることのできないような免疫力を腸にもつけてくれます。つまり、ワクチンを飲んだ人がポリオの発病を防げるだけではなく、その人の腸内では以後ポリオウイルスが増えることはできませんから、保菌者にもなれず流行も止められるという効果があります。
ポリオウイルスには3つの型があり、生ワクチンは1、2、3型の混合ワクチンです。このため、1回飲んだだけでは3つの方のウイルスすべてに抗体を作るのが困難です。本当は3回飲みたいのですが、日本ではワクチンを使うことにしたときにとりあえず2回飲ませたところ、ポリオの流行がなくなってしまったので、そのまま2回服用が続いています。
世界の他の国では3回以上の服用としているのが多いのが実情です。
日本だけでなく西太平洋の国々ではポリオ患者の発生はなくなりましたが、ポリオには健康保菌者が多い特徴があり、世界ではインド周辺やアフリカではまだポリオの流行があります。こうした地域からの旅行者や帰国者がポリオウイルスを日本に持ち込む恐れがまだ大きいので、ポリオの予防接種はまだ続ける必要があります。
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